NPBは5日に公正取引委員会がNPBの申し合わせ(田沢ルール)について審査を終了したと発表した。
NPBは田沢ルールについて「規約などの明文化を一切行わず、適用した実例が1件もないことです。08年当時は、米国MLBのスカウトが国内の高校・大学の野球部や社会人チームの活動期間中でも個別に接触していたため、実行委員会で緊急避難的に申し合わせを行いました。しかし、その後、12球団が若手選手の育成環境の整備や待遇の向上を図ったことによって、国内のアマチュア選手が米国に渡ってマイナーリーグ等でプレーするより、日本の球団に入団した方が将来の可能性が広がるとの認識が定着し、実際に有望な選手が米国に直接渡るようなこともなくなったため、申し合わせの必要性は失われました。12年から13年にかけては、実行委員会で「申し合わせの改廃」を求める意見も出ていました。このような事情から、当組織としては、申し合わせの対象となっていた田澤純一選手が本年3月に米国の球団を退団したことを機に、申し合わせの改廃について具体的な見直しを始め、田澤選手が7月にBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズに入団したことを受け、9月7日の実行委員会で撤廃を決議しました。田澤選手に対しても、埼玉武蔵ヒートベアーズを通じ、10月26日のドラフト会議で指名対象の候補となることをお伝えしていました。」として説明した。
公正取引委員会の審査が終了した件については「公正取引委員会には、当組織が申し合わせを決めるに至った経緯に加え、自主的に撤廃したことや、この12年間、申し合わせによって不利な扱いを受けた選手がいないことも説明し、その結果、本日、審査終了との判断が示されたと受け止めています。」と終了に至る経緯を説明した。
田沢ルールは田澤純一投手がNPBドラフト指名を受けることなくMLBへ挑戦したことを受けて海外球団退団後一定期間はNPBのドラフトを受けられないとする申し合わせ事項。今年のドラフト前に申し合わせが撤廃され、申し合わせの発端となった田澤純一投手も日本の独立リーグであるBCリーグ・武蔵ヒートベアーズに所属しており、指名対象となったが指名する球団は存在しなかった。
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