「千本鳥居」で知られる伏見稲荷大社が外国人の「映えスポット」と化している。
本殿の裏から奥社礼拝所まで続く千本鳥居に長蛇の列ができている。誰もいない千本鳥居で記念写真を取ろうとする外国人たちだ。
撮影の順番待ちのため、長蛇の列をつくり、純粋な参拝者の通行を邪魔している。
千本鳥居は途中で二股に別れる。伏見稲荷大社は右側通行を指示しているが、撮影目的の長蛇の列は左側の鳥居で写真や動画の撮影に勤しんでいる。奥社礼拝所から本殿へと下る鳥居も「撮影スポット」となり、通行人がつっかえている様子がたびたび伺えた。
外国人たちは伏見稲荷大社の写真をインスタグラムなどのSNSに投稿している。多くの画像にほかの通行者の姿はなく「独占状態」であることがうかがえる。
伏見稲荷大社の鳥居は願いが成就した際の感謝の気持ちを示すために奉納されたものであり、外国人観光客むけの観光地ではない。自身の承認欲求をインスタグラムなどで満たすために、その土地にある「信仰」を蔑ろにされている。本来の「信仰」として参拝する参拝者の通行を邪魔している現状はまさに「観光公害」だ。
同様の事例は清水寺でも起きている。舞台と京都市内を一望できる場所が「映えスポット」として人気を博し、外国人がたむろする現状をつくっている。本来あるべき「信仰」が京都の寺社から失われつつある。
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