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執筆者の写真日章新聞

日本でコロナ禍は「パーフェクト収束」に向かうのか

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うPCR検査陽性者の人数についての報道に「パーフェクト収束」の文字が令和2年11月頃から見られだした。12月の中盤から終盤にかけては「パーフェクト収束」に対する意見などが徐々に増加した。

 令和3年に入ってからは場所を限定しての緊急事態宣言や蔓延防止措置の話が上がり、「パーフェクト収束」を唱える人物に対する風当たりも強くなりつつあるのが現状だ。「パーフェクト収束」が唱えられる前から国民主権党の平塚正幸氏をはじめとする新型コロナウイルス感染症に対しての陰謀論を唱える声があったが、そのような声も徐々に下火で平塚氏を非難するような声も聞かれなくなった。

 このように新型コロナウイルス感染症に対する声が多様に変化する中で、「パーフェクト収束」が実現することはあり得るのだろうか。

 まず、感染症の完全収束というものは原則としてあり得ない。人類が唯一完全に抑制し、感染収束を成し遂げたのは天然痘のみで、世界的流行をもたらした感染症はワクチン等で重症化を防ぎ、感染対策を行うのが限界となっている。その証拠にインフルエンザ感染症は何年たっても完全に防ぎこむことができなかった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、感染対策が普及したことによって、感染者の激減に成功した。そこで、本文では「パーフェクト収束」を日本国内でインフルエンザの同等レベルで毎日感染者数が事細かに報道されないレベルと定義する。

 令和3年4月現在で新型コロナウイルス感染症についてのワクチン開発が進み、日本国内でも海外製のワクチンが輸入され、医療従事者や菅義偉内閣総理大臣が接種を行っている。そのワクチンの副作用に対して懸念の声も上がっているが、ワクチンを接種して発生するアナフィラキシーショックの可能性は非常に低いとする声もあり、ワクチンの接種は順調に進んでいく見込みだ。その中で約6650万人分ワクチンが毎年用意される程度にまで進まなければインフルエンザ感染症のワクチンの対策が完璧に行えたとは言えないだろう。

 同様に、毎日の感染者数が報道されなくなるようなレベルになるには、新型コロナウイルス感染症の諸症状と危険性が解明され、前述の通りにワクチンの配給が良好な状態にならない限りは難しいだろう。致死率から見たときの毒性はインフルエンザ感染症よりも低いとする意見もある一方で、高齢者や持病のある人物にとってはインフルエンザ感染症よりも危険であるとする意見も存在する。実際に国会議員で新型コロナウイルス感染症の影響を受けて急死したとされる羽田雄一郎氏が持病を持っていたことが判明している。この点についても解明が待たれるところだ。

 このように日本でコロナ禍が「パーフェクト収束」に向かうにはもう少し時間がかかりそうだ。多くの人が感染して苦しみ、国民一人一人の経済面でも大きな打撃を与えている新型コロナウイルス感染症がいち早く収束することを願うしかない。


※本記事は医療関係者等専門家による記事ではありません。新型コロナウイルス感染症の最新情報等は政府・地方自治体等の公共機関の情報を中心にご確認ください。

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