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安倍政権の功罪 経済への影響と国民生活の保障

安倍晋三内閣総理大臣の辞任意向は全国に激震を走らせた。そのニュースは瞬く間に世界中に広がり、各国の首脳などが労いの言葉をかけた。

その第二次安倍政権の7年8か月はどのような功績と失敗があるのだろうか。


〇株価

リーマンショック・東日本大震災を受けて大きく下落した民主党政権時代に比べて日経平均株価は大きく上昇した。株価に関しては安倍政権下の適切な処置によって回復したと言って差し支えないだろう。もちろん、株価のみが景気を測る指標ではないので、景気に関しては総合的な判断が必要となる。


〇消費税増税

安倍政権下において、消費税が5%から8%、8%から10%に引き上げられた。消費税の増税は景気を落ち込ませた可能性は否めない。消費税増税は市場に通貨が増えてきた時にコントロールする政策の一つとして知られ、民間のお金を回りにくくさせる。10%に増税した令和元年の景気動向指数は前年の平成30年よりも減少している。これは増税のタイミングは決して正しいものであったと言えるものではなく、失敗であったと言っても問題は内だろう。


〇拉致問題

北朝鮮による拉致被害者問題は問題発覚以降、全ての首相が対応してきた問題だ。本紙が依然報道したように北朝鮮と平成26年5月に同意したストックホルム合意において、特定失速者の入朝情報が北朝鮮側からあった。しかし、日本政府は公表するのが遅れ、特定失踪者問題調査会の記者会見によってそのことが明かされるなど、決して日本政府の対応が良いものであったとは言えない。安倍政権下では平成25年に飯島勲内閣官房参与が政権の要人として北朝鮮を訪れている。安倍首相本人は「在任中に拉致問題を解決できなかった」と自身の拉致問題への対応が万全でないことを認めている。


〇領土問題

これまで日本政府は北方領土の4島返還を求めてきてはいたが、ロシア側が憲法を改正し領土の割譲を禁じた。これによりロシアが北方領土を自領であると主張する限り平和的交渉での領土返還は非常に望みにくいのが現実だ。

竹島においては依然として韓国の実効支配が継続されている。自衛隊が敵に離島を占領された場合に奪還を目的とする演習を実施した程度で具体的な動きは見られなかった。竹島の日に崔在翼ソウル特別市議が抗議活動を実施することを容認していることは安倍政権において批判するべきポイントの一つであると言えるだろう。

尖閣諸島は中国共産党側の実効支配に向けた公船の航行を実質上容認し、長期間にわたって対処できていないのは批判すべきポイントだ。

領土問題は全体的に解決策が見えず、具体的なビジョンなども提示はされなかった。外国の絡む問題であり、解決が困難な課題ではあるが、次期政権の対応に期待がかかる。


〇景気

アベノミクスを実施し、民主党政権時代の打撃からは復調に成功こそしたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って経済の停滞を招いた。他国との評価は別として被害を最小限に抑えるための政策を早期に実施するべきだったのではないだろうか。


〇外国人労働者

入国管理法を改正し、外国人労働者の受け入れを積極的に実施した。人材不足の現場から滑れ利点であるが、技能実習生の問題や学生アルバイトなどのとの兼ね合いを考慮出来ているかは微妙な点であると言えるだろう。


〇福祉

老々介護の問題や待機児童の問題が目立った。待機児童問題を中心に自治体などと協力しての解決が図られたが、完全に解決したとは言いにくいだろう。経済面などでの支援や解決を望む声も多く、まだ課題は残る。


〇憲法

憲法を改正を主要政策の一つとして掲げ、自民党の総裁として自民党の改憲案を公表するなどした。野党からの厳しい反発などもあり、憲法改正を達成することはできなかった。全議員の3分の2以上の議席を両院で占めているにも関わらず憲法改正の発議すら実施しなかったことは改憲派にとっては批判するべきポイントの一つである。


〇改正水道法

水道法を改正し、水道の基盤強化に努めた。その中で水道の一部民営化などが実施され、一部からは批判も起きた。問題に対する認知などが少ないことから議論が進まなかったが、諸外国の失敗後の改正は良い状況とは言えないだろう。


〇日米関係

アメリカ合衆国の大統領ドナルド・トランプ氏や前大統領のバラク・オバマ氏などと友好な関係を築き、オバマ氏の広島訪問を実現させた。日米関係の強化は大成功したと言えるだろう。ゴルフを通じた外交が批判されることもあったが、成果を出したことは間違いない。


〇新型コロナウイルス感染症

政権末期の新型コロナウイルス感染症に関する対策は感染拡大防止策の実施や医療機関との連携によって最小限の被害に抑えることができた。しかし、経済への打撃も大きく今後も積極的な財政出動による支援が必要だ。


このように安倍政権下においては日米関係や経済の回復、新型コロナウイルス感染症対策の実施などが大きな成果であるといえるだろう。その一方で拉致問題、領土問題、憲法改正などの自民党内の保守派などから強い要望のあった課題に関して解決できなかったのも事実だ。次期政権はこの課題を解決しつつ円滑で国民の要望を満たす日本国の運営を進めていく必要があるだろう。


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