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執筆者の写真日章新聞

ワクチンデマ拡散 情報元の確認を

新型コロナウイルス感染症のワクチンに関するデマが拡散されている。主にインターネット上で、実際に存在が確認されている副作用を誇張して、「ワクチンを接種すると死亡する」などのワクチンそのものが危険であるというものから、「ワクチンの接種は表向きで、注射の際にマイクロチップを埋め込まれる」などの情報が拡散されている。

まず、ワクチンの副作用でアナフィラキシー反応が発生する事例が報告されているのは事実だ。しかし、厚生労働省によるとワクチン接種が原因で、何らかの病気による死亡者が増えているとの知見は存在しないという。

ワクチンはあくまで、感染・重症化のリスクを下げるものであり、直ちに感染を防止できるものではないし、新型コロナウイルス感染症に感染し重症化・死亡の可能性があるのはインフルエンザウイルスを見ても明らかだ。それを、ワクチンが原因による死去と認められないような状態で、ワクチン接種後数日後に死亡した者が出た、無関係な死因をワクチンによるものであると主張するのはデマの拡散であるといえるだろう。

また、マイクロチップの埋め込みについては、チップをどのようにして管理しているのかが問題になる。注射には多くの医療従事者や国民がかかわっている。管理番号もなしに国民の情報をマイクロチップで収集する方法はない。急なキャンセルによる廃棄予定のワクチンを周囲の未接種の人間に与えている時点でこの説は成立しい。更には、国民の動向を監視するのであれば、Google・Apple両社に金銭を払ってユーザーのダウンロードしたアプリなどの情報を提供してもらった方が国民の動向を監視しやすい。

このように、明確な根拠もない情報が拡散されている。情報を拡散する前に、もう一度、情報源の確認を行うべきだ。

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